骨格検知AIとサーマルカメラの有効活用で
高精度の転落防止+火災対策を実現
株式会社ダイセキ 様
事例概要
産業廃棄物処理と資源リサイクル分野のリーディングカンパニー、ダイセキ様。同社の北陸事業所では汚泥集積ピットにおける転落事故の防止、ならびに汚泥ヤードでの火災リスクの最小化を、現場安全管理の重要課題として取り組んでいました。そこでコニカミノルタの骨格検知AIを採用した労働安全支援パッケージADDSAFE(アドセーフ)とサーマルカメラの2つを導入。常時精度の高い転落予測や熱検知が可能になりました。監視員が不要になり、夜間の火災の危険を把握できる体制が整ったことで、人材不足による現場負担の軽減とより安全な職場を実現しています。
課題
- 転落防止、火災対策など労働安全の施策が必要
- 常時監視員を配置するリソースに課題
- 危険行動が起きた後の、改善対策や原因分析が不十分
解決策
- ADDSAFEとサーマルカメラの導入で高精度な転落予測、火災対策を実現
- 24時間365日の自動検知で、監視員が不要に
- 分類・保存した映像を振り返り、業務改善に活用
導入の背景
廃棄物リサイクル工場の転落防止と熱監視に課題
ダイセキ様は全国7カ所の事業所と8社の関連会社によるネットワークで、産業廃棄物処理と資源リサイクルに関する総合的なサービスを提供しています。1999年には産業廃棄物処理業専業として初めて上場するなど、長年にわたり業界をリードしてきました。
その中で北陸事業所は、名古屋事業所に次いで1973年に設立され、北陸地方の産業廃棄物処理・リサイクルに貢献しています。同社内でもいち早く資源回収に取り組み、その知見を全国の事業所に広げています。
一方、産業廃棄物を扱う同事業所の中には危険なエリアもあり、慎重な労働安全対策が求められてきました。北陸事業所工場長の岡野仁様は次のように説明します。
岡野仁様 株式会社ダイセキ 北陸事業所 工場長
「開放型の集積ピット(※)では、作業の性質上ピットに身を乗り出すような体勢を取る場面があり、転落の危険がありました。そのため作業時には監視員を付けていましたが、人手不足の中で人員を確保し続けるのは困難でした。また汚泥ヤードでは熱がこもり、放置し続けると火災になる危険があります。とはいえ24時間365日、監視員を付けるわけにもいきません。特に夜間の監視は難しく、長年の課題でした」
※廃棄物などを処理する前に、一時的に貯蔵する場所
骨格検知AIとサーマルカメラで24時間の労働安全対策を実現へ
これらの課題を解決するには監視カメラが必要と考えていた時に、コニカミノルタから労働安全支援パッケージADDSAFEの紹介を受けたといいます。ADDSAFEは独自開発の骨格検知AIで、1人ひとりの骨格の傾きや動きを識別。危険行動を検知して事故を未然に防いだり、いち早くアラートを発したりできます。映像は保存して後から振り返りができ、安全意識を高め、作業者への教育用資料としても活用できます。
採用の決め手を岡野様は、「他社のAI搭載監視カメラは、人が転落したかどうか分かりにくいものが多かった。導入するなら検知性能が高い方がよいと考えました」と説明します。
熊田隆広様 株式会社ダイセキ 北陸事業所 生産部 生産二課 課長
当初は転落防止対策の検討から始めましたが、ダイセキ様はさらに、火災対策もできないかとコニカミノルタに相談を持ち掛けました。結果、あわせてサーマルカメラの導入も決定。サーマルカメラの選定について北陸事業所生産部生産二課課長の熊田隆広様は、「コニカミノルタの製品は高画質など性能面での優位が他社製品と比べて大きかった。ADDSAFEとまとめて導入できるメリットも後押しし、一緒に採用することにしました」と語っています。
導入の効果
現地で検証し細かく設定・運用開始後も精度を向上
導入にあたっては、コニカミノルタのエンジニアが実際に現地を確認。ダイセキ様と議論を重ねながら、設置場所や検知条件などを決定していきました。ダイセキ様の設定は、危険行動の事前検知に重きを置いています。当初は作業者の足首が危険エリアに進入したら検知するように進めていました。しかし検証を重ねた結果、頭部の進入を検知する方が転落予測には効果的と判断し、設定を変更。このようにADDSAFEは、作業内容や現場状況に合わせて最適な検知部位や閾値を調整可能です。
集積ピットに向かって、赤丸の部分にADDSAFEにて使用する「MOBOTIX MOVEバレットカメラ」を設置。転落防止に活用する
MOBOTIX MOVE バレットカメラ。全天候型のコンパクトネットワークカメラで、最大40mの赤外線LEDを内蔵し、昼夜を問わず監視が可能
転落の可能性がある危険エリアに、作業者の身体の一部が進入するとアラートが出る。骨格をベースにした高精度なAI検知はADDSAFEの大きな強み。動画を保存して後から検証も可能
サーマルカメラによる熱検知についても、現地で調整を行っています。工場内を動き回るフォークリフトが画角に映り込むと、エンジンの熱を誤って検知することが導入当初の課題でした。そこで、一定の秒数までは熱に反応しないように設定を変更(メタイベント設定)。フォークリフトの通過が誤検知に影響しないように修正できました。
ダイセキ様の作業現場。右側の汚泥ヤードに向かってサーマルカメラを赤丸の部分に設置。一定の秒数を超えて高熱を検知するとアラートが出る仕組み
コニカミノルタのサーマルカメラは高画質かつ、広範囲にわたり1台で監視が可能。様々な環境で、赤外線映像と可視映像の同時撮影ができる
汚泥ヤードを監視するサーマルカメラの映像。熱を持ったフォークリフトが画角に入っても検知しないように設定されている(メタイベント設定)
コニカミノルタのきめ細やかな対応について岡野様は「現地に足を運んでもらって、検証の上で設定方法を提案してもらったり、デモ機で実際の見え方を提示してもらったりしました。本気で一緒に取り組んでくれたと思います」と評価しています。
保存された映像を業務改善に活用
ADDSAFEでは、映像を(1)作業エリアへの進入、(2)危険と思われる体勢、(3)転落の可能性という3種別に分類。ディスプレイの横に設置したシグナルタワーの色が、(1)は緑、(2)は黄色、(3)は赤+警報音で知らせるように設定しています。映像は各フォルダに分類して保存されるため、危険な動きを捉えた映像だけを後から簡単に抽出可能です。
「危険行動を起こした本人に映像を見せて、そのリスクを自覚してもらうことができます。さらに、そもそも危険性の高い当該作業が必要なのかを検討し、設備改善や作業手順の変更につなげることもできます」(熊田様)
工場内では粉塵対策として一定間隔でミストが噴出しています。過酷な環境ですが、映像の撮影には影響がないと岡野様は次のように語ります。
「導入から約半年経ちますが、特に曇りなどの支障は生じていません。万一レンズが曇った時も自分たちで清掃できるので、安心して利用できます」
時には誤検知もありますが、漏らさず把握することを優先しています。運用の中で調整を進め、少しずつ誤検知自体も減っています。
「光の加減や対象物の形状によって誤検知はありますが、逆に言えばそれだけ高い精度で検知しているということ。誤検知を減らすために精度は落としたくないと考えています」(岡野様)
ADDSAFEとサーマルカメラの導入で、現場の常時監視が可能になっています。熊田様は「荷下ろしの際に付けていた監視員が、ADDSAFEの導入で不要になりました。サーマルカメラの導入によって、24時間365日熱の状態を監視できるのも助かっています」と効果を語ります。
今後の展望
より一層安全な工場を目指しシステム改善と監視を強化
ADDSAFEのアラートは現在、事務所に表示する仕組み。今後は現場でもアラートが分かるよう、改善を検討しています。作業者にリアルタイムで届けば、より迅速な事故回避が期待できます。サーマルカメラでは夜間に閾値以上の熱が発生した場合、現在は警報システムに連携し管理者に入電する仕組み。しかし電話だけでは状況が分からないため、やはり現場には行く必要があります。そこで通知メールに現場の画像を添付するよう改善を進めています。「現場の状況が遠隔でも確認できれば、対応の必要性などがすぐに分かります」(熊田様)。
今後について熊田様は、「導入して終わりとは思っていません。変化する現場に合わせて調整し、さらなる精度向上に取り組んでいきます」と展望を述べています。最後に岡野様は、「コニカミノルタには導入当初から変化がある中で、臨機応変に真摯に対応してもらい助かっています。まだ危険な箇所はあるので、引き続き一緒によりよい体制を作っていきたいですね」と語ってくれました。
コニカミノルタの労働安全ソリューション 満足ポイント
- ADDSAFEの骨格検知AIで、危険行動をリアルタイムに把握
- 高性能のサーマルカメラで、24時間365日の熱検知を実現
- 保存した映像を、作業員の教育や業務改善に活用
お客様プロフィール
| 名称 | 株式会社ダイセキ |
|---|---|
| 住所 | 愛知県名古屋市港区船見町1-86 |
| 設立 | 1958年10月 |
| 事業内容 | 産業廃棄物処理・リサイクル、石油化学製品製造販売、環境関連分析・研究など |
| URL | https://www.daiseki.co.jp/ |
産業廃棄物処理事業からスタートし、現在は主に廃油・廃液・汚泥の処理・リサイクルを行っている。廃棄物を資源と考えて、多様な技術を組み合わせ可能な限り再資源化。ニーズに合わせて排出企業にリサイクル品を提供するなど、循環型社会の推進に貢献している。
記載されている情報は取材時のものであり、閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。(取材日:2025年11月)
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