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株式会社LIXIL様

顧客価値最大化を目指したデータドリブンマーケティングの自走支援

データ分析に基づいた顧客像の可視化とセグメント設計

株式会社LIXIL様の顧客価値最大化を目指したデータドリブンマーケティングの自走支援の事例

水回りや窓など住まいの空間を彩る製品やサービスの提供を通じて、豊かで快適な暮らしの実現に貢献する株式会社LIXIL 様。そんな同社の会員サービス「リクシルオーナーズクラブ」では、データを活用した優良顧客の育成に取り組んでいます。

取材にご協力いただいた方
株式会社LIXIL リテンションマーケティング部 リーダー 布施木昭彦様

事例概要

課題

  • データに基づいたマーケティング施策の計画、実行、振り返りができるノウハウがない
  • 会員サービスにおける優良顧客育成プランをつくっていきたい

解決策

  • 優良顧客育成を目的としたデータマーケティングのPDCAプロセスを通して、データ分析から施策立案・実行・改善の取り組みをレクチャー
  • 習熟度を高めるために1on1での部門担当へのスキルトランスファーやセルフ・アセスメントを実施

導入の背景

顧客に適切なコミュニケーションを行うために、どのようにアプローチをしていけばよいか?

株式会社LIXIL リテンションマーケティング部 リーダー 布施木昭彦様

LIXIL 様では自社製品の購入者を対象とした「リクシルオーナーズクラブ」という会員サービスを運営しています。コニカミノルタジャパンは、こちらのサイトにおける会員様への提供価値を最大化させるために、2020 年からデータ分析や施策立案・実行の支援をしながら、データドリブンマーケティングを進める上で必要なスキルを担当部署に引き継ぐ取り組みを行っています。

「Data Driven Improving Project」と名付けられたこのプロジェクトをスタートさせた背景について、同社 リテンションマーケティング部のリーダーを務める布施木昭彦様は次のように説明します。「かねてからお客様をきちんと理解して、各々のカスタマージャーニーに寄り添ったかたちで適切に情報を伝えることの必要性は感じていました。そこでマーケティングオートメーションツールなどを活用した施策を実行していたものの、自分たちの言いたいことをただ伝えているだけになってしまっていた。お客様に適切なコミュニケーションを行うための取り組み方の仕組みが確立していなかったのです」

コニカミノルタジャパンがLIXIL 様へ提案を行ったのは、そんな折でした。「『目的達成のためにもっとデータを活用してみませんか?』というお話を受け、プロジェクトをスタートさせることになりました。契約締結までに、何度かプレゼンテーションをしてもらいましたが、やり取りの中で私たちが直面している課題や悩みを真摯に聞いてもらったのを覚えています。こちらに寄り添ってくれるそんな姿勢は頼もしく、これなら目的を果たせると直感しました」

導入の効果

半年間でPDCA を3 周回すうちにスキルが定着していく

プロジェクトをスタートさせるにあたって、コニカミノルタジャパンがまず提案したのは「データの基礎分析」→「顧客理解」→「施策実行」という3 つのフェーズで計画を進行させること。

「それまでは、どちらかというと施策ありきで取り組みを進めてきました。つまり、お客様にこういう情報を届けようというところに注力してきたわけです。しかし、3 つのフェーズで筋道を示してもらって、お客様をより深く理解するために、まずはデータの基礎分析を行う必要があることに気付かされた。つまり、社内にどのようなデータがあって、そこから価値を見出すために、どのような分析手法を用いるのかを検討しなければならなかったのです。そのことをわかりやすく示してもらったのは印象的でした」と、布施木様は当時を振り返ります。

そして実際のプロジェクトは、図に掲げたような流れで進行。約半年間でPDCA を3 周回すプロセスをコニカミノルタが主導しながらも、LIXIL 様の担当者と共に伴走するかたちで行うことでスキル定着を図るねらいです。

初めにコニカミノルタジャパンが、LIXIL 様が保有するデータを整理し、利用価値のあるデータを判別。その上で、データを組み合わせるなどして導き出した分析結果を基に、顧客のセグメンテーションを実施しました。例えばリフォームに興味があるお客様は、この商品ページを見てから別のこちらのページに流入するのではといった仮説を立て、シナリオを作成し、施策を実行するというPDCA サイクルを回していったのです。

「将来的には、すべてを自社内で完結させることが理想的だとは思います。しかし、すぐに自走できるものと、できないものがある。それがわかったのも本プロジェクトの収穫の一つです。例えばデータ分析の中でも高度なものは、まだ自社内で行うのは困難です。そういう部分も含めて、自社の取り組みや経験に基づいた的確なコニカミノルタジャパンのサポートは今後、取り組みを進めていく上でも必要不可欠だと考えています」と布施木様は話します。

セルフ・アセスメントと1on1 レクチャーでスキルの習得度をアップ

そして約1 年にわたりプロジェクトを共にしてきた、コニカミノルタジャパンの支援について次のように評価。「総花的なコンサルティングではなく、私たちのビジネスに沿ったかたちで支援してもらえたのが第一。またプロジェクトの進行とともに、新たに生まれる課題についても柔軟に対応していただいたのも心強かったですね。なお新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、すべてのやり取りはオンラインで行いましたが、特に問題を感じたことはありませんでした」
またここまでの取り組みで、実感している成果については「今まではお客様を『顧客』というセグメントで一括りにしていましたが、例えば当社のキッチンを使っているお客様でも、ライフステージや嗜好ごとに細かく分けて考えることができるようになりました。結果、お客様ごとに最適な情報を最適なタイミングで伝えられるようになったと思います。いずれにせよ、基本的な思考は『カスタマーセントリック(顧客中心主義)』でなければいけません。この思考をいかに私たちのリソースにつなげるかが重要ですが、データはそれを実現させてくれるものだと考えています」と説明。
なお今回の取り組みでは、スキルの習得状況をチェックするためのセルフ・アセスメントを実施。LIXIL 様自身とコニカミノルタの双方がマーケティングやデータ分析などに関するスキルの習得具合に対して、5 段階評価を行ったのです。
評価の結果、先述したようにすぐに内製化できることと、そうでないことが明らかになったほか、スキル不足が浮き彫りになった項目については、1on1 で行うレクチャーやトレーニングを実施。マーケティングツールの使い方やデータ分析の考え方はもちろん、プロジェクト全体の進め方なども含めた確実なスキル習得を図るための取り組みを行っています。

現在は、これまで1 つのテーマで行ってきた本取り組みを、リフォームのニーズがありそうな会員様へ向けた情報提供の最適化などの3 つのテーマに横展開し、PDCA を回しているとのこと。レクチャーを通じて取得したノウハウを生かし、LIXIL 様自身が主導しながらコニカミノルタがサポートするかたちで進められるようになっています。

今後の展開

ビジョンを見据えて、着実に取り組みを進めていく

株式会社LIXIL リテンションマーケティング部 リーダー 布施木昭彦様

「コロナ禍で世の中のデジタル化が進んだ中、私たちもこれまで以上にデータ活用を進めていく必要があると考えています。データにはいろいろなものがあって、ともすれば様々なことに手を出してしまいたくなりますが、何のためにデータを活用するのかを理解していないと『労多くして益少なし』になりかねません。ですので、まずは目的をぶらさずに取り組みを進めていくことが重要です。またこれまでは、データは最初にきちんと揃っていなければダメだと考えていましたが、必要なデータは後から追加できることが今回のプロジェクトでわかりました。だからこそ、できるところからアジャイルに取り組みを進めていくことが大切だと実感しています。特に当社は2011 年に5 つの会社が合併して誕生しているため、データの取得方法や形式もバラバラで、初めからデータを統一させることは容易ではありません。コニカミノルタジャパンも過去に合併を経験しているので、この点についても適切なアドバイスをもらえたと思います」

自社のデジタル戦略について、布施木様はこのように説明。さらにリクシルオーナーズクラブについては「今までは購入したお客様へのサービスというと、サポートセンター中心でしたが、デジタルのコミュニケーションにおいて、カスタマーサクセスを果たす存在に進化させていく」考えだといいます。

「Data Driven Improving Project」はこの1 年、順調かつ着実に歩みを進めてきた印象ですが、様々な部門を横断して取り組みを進めるための秘訣はどのようなところにあるのでしょうか。この疑問に対して布施木様は次のように回答します。

「経営トップの理解や会社のカルチャー、他部署の同意など、取り組みを成功に導くには様々な要因があるでしょう。そんな中で一番重要なのは、データドリブンを行った先の明確なパーパスがあること。パーパスがあれば、例えば『なぜデータドリブンを行う必要があるのか?』という疑問や疑念を抱く人を納得させることが可能ですから」

以上のような考えの下で進められるLIXIL 様のデータドリブンなマーケティング活動ですが、今後どのような進化を遂げるのか? その取り組みから、これからもますます目が離せなくなりそうです。

コニカミノルタ担当者の声

仮説立てから各プロセスを共に体験
担当者へ実施したスキルトランスファーが今後も効果を発揮

約半年間にわたり、LIXIL 様の「Data Driven ImprovingProject」を担当させていただきました。コニカミノルタの実践経験を活かし、仮説立てからデータとの向き合い方、示唆の導き出し方、シナリオ策定、施策実行後の検証などの各プロセスを一緒に体験していただくことで各ご担当者様へのスキルトランスファーに繋がったのではと思っています。本PJ での経験をベースしたLIXIL 様主導の実践型のPJ においても、ぜひ引き続きご支援させていただきたいです。

野村 英正

マーケティングサービス事業部
デジタルマーケティング開発部
マーケティングサービスグループ
野村 英正

施策設計から実行・実施後のデータ分析まで、データドリブンマーケティングにおける幅広い領域を、長期にわたり伴走するご支援をさせていただいております。自社へのノウハウの定着化を期待されていたLIXIIL 様にとって、データ分析やMA 設計など各担当者様に個別で実施したスキルトランスファーもご満足いただいた大きなポイントだと感じております。今後、活動をより一層推進される中、マーケティングにおけるビジネスパートナーとして引き続きお力添えできればと考えております。

鈴木 晃成

マーケティングサービス事業部
MS 営業部
鈴木 晃成

コニカミノルタのデジタルメディア改革支援サービス 満足ポイント

  • クライアントの課題に寄り添った支援体制
  • データ分析から施策実行まで各分野の専門家が集まったチームによる高レベルな知見に基づく支援を実現

お客様プロフィール

名称 株式会社LIXIL
住所 東京都江東区大島2-1-1
創業 1949 年
事業内容 建材・設備機器の製造・販売およびその関連サービス業
URL https://www.lixil.co.jp/

2011 年に国内の主要な建材・設備機器メーカー、トステム、INAX 、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリアの5 社統合により誕生。以後、GROHE、American Standard といった世界的ブランドを傘下に収め、現在では日本のものづくりの伝統を礎に、世界をリードする技術やイノベーションで、日々の暮らしの課題を解決する高品質な製品を幅広く提供するグローバル企業として事業を展開している。

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