データドリブンマーケティングを行うメリットと実現のためのポイント
公開:2021年7月19日(月)| マーケティング
メール、電子マネー、チャット、SNSなどから蓄積されるデータは、マーケティングを行ううえで欠かせない情報となっています。
以前であれば人間の勘に任せて行ってきた販売予測も、データを使うことで属人性を排除して算出することが可能です。そこで、重要となるのが「データドリブン」です。
今回はデータドリブンの概要から、データドリブンマーケティングの実践で得られるメリットや実現のポイントまで紹介します。
目次
データドリブンとは?
データドリブンとは、重要な判断を下す際に、従来のように特定の人物による経験や勘ではなく、さまざまなデータを分析・可視化したものをもとに意思決定し、アクションを起こすことを指します。重要な判断は、経営にかかわる場合もあれば、マーケティング施策の場合もあります。今回は、データドリブンマーケティングについて説明します。
データドリブンマーケティングは、「マーケティングを行う目的や用途に応じたデータの収集」「収集したデータの可視化」「データサイエンティストやデータアナリストによる分析」「分析で得た結果をもとにしたマーケティング施策の策定・実行」といった流れで行います。
データドリブンマーケティングが注目される理由
現在、多くの企業でデータドリブンマーケティングが非常に注目されています。その理由としては次のような点が挙げられます。
ビッグデータの普及
スマートフォンの普及により、いつでもどこでもインターネットを利用できる環境が当たり前となりました。また、さまざまな電子マネー、ICカード、ICタグが登場し、至るところでデータを収集できる状況も整ってきました。その結果、一部の企業だけではなく、多くの企業でビッグデータの活用が可能となり、データドリブンマーケティングを行う企業が増加しています。
情報入手経路の多様化
新製品やサービスの情報入手経路は年々多様化しています。例えば、BtoC企業の場合、消費者は、店頭、テレビや新聞雑誌広告、街頭広告、家族友人からのクチコミといったリアルの場でのほか、インターネット上での広告、SNS、企業サイト、情報サイトなどにおいても情報を入手することが可能です。さらにこれらの情報は、スマートフォンにより、どこにいても気軽に入手できるようになっています。そのため、顧客行動に対応させたマーケティング施策を実施しようと、多くのデータを収集して活用していくデータドリブンマーケティングが注目されるようになったのです。
データドリブンマーケティングを行うメリット
データドリブンマーケティングの実施により得られる主なメリットを確認しておきましょう。
複雑化する消費者/企業の購買行動の予測を立てられる
インターネットの普及もあり、消費者や企業の購買行動は以前にも増して複雑化しています。そのため、担当者の勘や経験だけでは購買行動の予測が非常に困難となっているのです。しかし、データドリブンマーケティングを行えば、複雑化している購買行動もある程度、予測ができるようになります。
勘や経験に頼ったマーケティングに比べて再現性が高い
勘や経験に頼るマーケティングは、属人性が高く、再現性の低い方法です。データドリブンマーケティングはデータ分析の結果をもとに意思決定を行うため、適切な分析を行えば再現性の高い施策策定が可能です。
効率的な施策実行につながる
データドリブンマーケティングは、データ分析の結果をもとに施策の策定や実行、改善を行うため、適切にPDCAを回すことで効果の低い施策は淘汰されていきます。結果として効率的な施策実施ができるようになります。
データドリブンマーケティングを成功させるためのポイント
データドリブンマーケティングの概要と実施するメリットについて説明しました。データドリブンマーケティングに取り組んで実際に成功させるためには、以下のポイントがあります。
データ収集・分析がゴールではない
データドリブンマーケティングでは、さまざまなデータが必要になりますが、単純にデータを収集・分析するだけでは不十分です。重要なことは、分析した結果をどのようなアクションにつなげていくことです。
例えば「顧客満足度の向上」や「製品の改善」などを明確にしておくことがポイントとなります。
マーケティング施策の目的に応じたデータの統合
例えば、ひとりの顧客の購買行動をデータとして取得する場合、「Webサイト訪問」「メルマガ登録」「実店舗来店」「SNSへの投稿」「Webショップで購入」「カスタマーサポートへ問い合わせ」などの、さまざまなチャネルへのアクセスが考えられます。そのため、それぞれでのタッチポイントで取得したデータを統合しなければなりません。データの統合をしなければ、正確な購買行動を分析できず、適切なデータドリブンマーケティングは行えません。顧客の情報をひとつにまとめるためのデータ統合が、データドリブンマーケティングの基本ともいえるでしょう。
データドリブンを実現するための人材確保
データドリブンマーケティングの実施には、データの統合・分析を行い、その結果から実行プランを策定できる人物(データサイエンティストやデータアナリスト)の存在が不可欠です。社内に該当する人材がいない場合は、希望者を募って教育を行ったり、外部から人材を雇用したりするなどして、人材を確保する必要があります。
ツールの活用
データドリブンマーケティングは、策定したプランを効率良く実行していくことで成功の確率が高まります。そこで、効果を発揮するのが、「DMP(データマネジメントプラットフォーム)」「MA(マーケティングオートメーションツール)」「SFA(セールスフォースオートメーション)」「BI(ビジネスインテリジェンス)」「CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)」などのツールです。これらのツールを活用すれば、より効率的なデータ収集も可能です。
データの収集、管理、可視化、分析、営業部門との連携などを、すべて手作業でやるとなると膨大な手間とコストがかかるため、用途に応じて適切なツールの選択、活用が求められます。
経営層が先頭に立って進める
データドリブンマーケティングを成功させるためには、マーケティング部門だけでなく、企画開発、営業、カスタマーセンターなど多くの部門の協力が欠かせません。そのため、ひとつの部署に任せるよりも、経営層が自らデータドリブンマーケティング実行部隊の指揮を取り、着実に進めていくことが必要です。
データドリブンマーケティングは専門チームを立ち上げて取り組んでいくことが重要
ビッグデータの普及や情報入手経路の多様化により、マーケティング部門だけですべてのデータ収集、分析を行うことが難しくなっています。企画開発や営業などはもちろん、それ以外にも資材購入部門や販売部門のデータもデータドリブンマーケティングには欠かせない要素となっています。
また、データドリブンマーケティングの実現には、専門人材の雇用、ツールの導入などで大きな予算の確保が必要です。そうした意味でも、経営層が先頭に立ち、専門チームをつくって進めていけるかどうかが、成功の鍵を握っているといえるでしょう。
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