ロイヤルカスタマーって誰だろう?知っておくべき、その定義とは
更新:2021年5月25日(火)| 公開:2020年12月14日(月)| データ活用
こんにちは。コニカミノルタジャパン データサイエンティストの永井です。
気が付けば年の瀬。今年は本当に、大変な一年でしたね…!
来年はどなたさまにとっても、素敵な年になりますように。
さて、ウィズコロナ時代に即したDXをテーマにしたコラムの第二回目は、ロイヤルカスタマーの定義についてお話しさせて頂きます。
お客様の顧客の中で、本当に「良いお客さま(=ロイヤルカスタマー)」はどんな方でしょうか?
ロイヤルカスタマーを定義する
自社の顧客において「誰がロイヤルカスタマーなのか」を考えるとき、何に注目されているでしょうか。売り上げや購入頻度、他の顧客の紹介など、さまざまな要素が考えられます。
例えば、3か月間の購入回数×1回あたりの購入金額で「ロイヤルカスタマー度」を定義しているケースがあります。この場合、具体的には日次でこれらのデータを算出し、月次で確定した値を保持するような形でロイヤルカスタマー度を時系列で管理し、ロイヤルカスタマー度が下がった顧客に対して施策を打ちます。
それでは、自社の顧客におけるロイヤルカスタマーはどう定義したらよいでしょうか。
ロイヤルカスタマーの定義は各企業のビジネス課題によって異なりますので、悩みどころです。
データ先行型でロイヤルカスタマーを定義する
ロイヤルカスタマーとして想定するペルソナが明確でない場合、データから顧客をパターン分けし、その中からロイヤルカスタマーと言えそうな層を探る方法があります。
下図のように、ロイヤルカスタマーに関係しそうな数値を1行にまとめ、クラスタリング(パターン分け)を行います。分析する期間、最終購入日、購入頻度など、どういう数値を使うかは、お客さまをよく知る現場の担当者を交えて検討するとよいでしょう。
結果が出たら、クラスタ(パターン)ごとの特徴をまとめ、どのクラスタが一番ロイヤルカスタマーと言えそうかを検討します。
次に、ロイヤルカスタマーと見込まれる層に、タイミングや内容の異なる施策を打っていき、その反応をフィードバックしながら、現時点でロイヤルカスタマーと考えられる群を抽出していきます。
最終的に、売上N円以上、来店頻度N回以上…と言うように、基準となる数値を確定できれば、その会社におけるロイヤルカスタマーの定義が完成します。
ロイヤルカスタマー予備群を探す
「自社のロイヤルカスタマーとはこのような顧客である」と定義できたら、次は、将来ロイヤルカスタマーになってくれそうな顧客を探して、ナーチャリングしましょう。
アプローチは、行動の軸と属性の軸の二つがあります。
行動の軸とは、「今月あとN回購入してくれたらロイヤルカスタマーになる」といった、購買行動からみた予備群の抽出方法です。
こちらの軸は、「では、あとN回購入してもらうために、セールのメルマガを打ちましょう」という形で自然と施策に結びついてきます。
一方、属性の軸は、「ロイヤルカスタマーはこんな人なので、似た属性の人はロイヤルカスタマーになる可能性がある」という、少し遠回りの方法になります。ロイヤルカスタマーと定義された顧客群を、性別、年代、家族構成などの属性データと結び付け、まだロイヤルカスタマーではないが、属性が類似する顧客層に、施策を打ちます。
行動軸より確実性は落ちますが、ナーチャリング対象者の母数を大きく取れることが多いです。
ロイヤルカスタマーと属性データを結び付けたとき、意外な発見が生まれることがあります。これまでメインターゲットはミドル層と考えていた企業が、シルバー層にも需要があることが分かり、新規顧客層開拓につなげた例がありました。
また、商圏分析と結び付けることで、店舗の位置と顧客の居住地(または勤務地)に、ロイヤルカスタマーかどうかという軸を加えることができます。出店計画やチラシ配布などに役立ちます。
例えば、郵便番号(7桁)の粒度でお客さまの数が多い地域を可視化すると、こんなイメージになります。
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著者プロフィール
コニカミノルタジャパン株式会社
マーケティングサービス事業統括部
データサイエンティスト
永井 睦美
2019年にコニカミノルタジャパンに入社し、データ分析基盤の開発に携わる。
学生時代は、オンラインコミュニティにおける協働の特性について研究。電気通信大学データアントレプレナーフェロープログラム修了。
趣味はサイエンス雑貨集めと、歴史的建造物巡りです。毎朝ストームグラスを眺めて「よくわからん」と唸っています。
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