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いますぐ改善したくなる!BtoB事業のマーケティングサイト運営編:コニカミノルタのリアルなBtoBマーケ実践ストーリー7

更新:2022年10月24日(月)| 公開:2022年10月24日(月)| マーケティング

コニカミノルタのリアルなBtoBマーケ実践ストーリー7:いますぐ改善したくなる!BtoB事業のマーケティングサイト運営編

コニカミノルタジャパンのマーケティングサービス事業部のマーケティングチームは2022年の4月で5年目を迎えました。ほんの5年前、ほぼ何もない状態で3名でチームを立ち上げ、3年6ヶ月で創出した総パイプライン(売り上げ見込みの金額)の割合は25.6%UP。チームメンバーも16名になり、成熟期を迎えようとしています。

とはいえ、ここまでの道のりはそうたやすいものではなく、試行錯誤の連続。悩んで、実践して、失敗して、またトライして・・・の繰り返しでここまでやってきました。

私たちのリアルな実践ストーリー第7回目はマーケティングサイト運営についてです。実際のセミナーで寄せられた質問に対する私たちの回答を紹介します。

Section1:いざ、Webで施策を打とう!何から始める?

突然ですが、こんな質問をされたら、皆様はどう答えますか?

「あなたは、今月から新しい事業部に配属されました。ミッションは”オンライン施策を活用して売上に貢献する”です。マーケティングサイトは存在しているので、サイトを中心とした施策を考えます。チームメンバーは、全員マーケティング初心者です。その状況で、いざWEBサイトを中心に施策を打とう!というとき、まず何から考えますか?」

私たちなら、こう答えます。

「いきなり施策を考えるのは難しいので、まずは商材を理解することから始めましょう。営業と販売方針や競合企業がどのようなアプローチをしているか確認するなど、各担当からさまざまな情報を集めた上で、施策の基本方針を作るのがマーケティングチームの役割です。

ここで大事なことは、ペルソナの設定とカスタマージャーニーマップの作成です。まず営業にヒアリングし、何を誰に売るのかを明確にします(ターゲット顧客の設定)。その上で、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成します。営業でフォローできるケースは営業に任せて構いません。営業ではカバーできない部分をマーケティングチームがフォローします。

「何を・誰に」という認識合わせが非常に重要です。その上で、サイトにどんな情報を載せるのか、コンテンツ内容を決めていきます。

Section2:ペルソナとカスタマージャーニー、作り方の正解とは?

カスタマージャーニーマップの正しい作り方

ペルソナとカスタマージャーニーマップという言葉を聞いたことがあっても、いざ作るとなるとどうすればいいのかわからないものです。

ペルソナ

自社の製品・サービスを購入してくれる顧客のうち象徴的な人物像。製品・サービスのターゲットとなる具体的な人物像のこと。ペルソナを詳細に描くことで、顧客を理解した上で施策を考えることができるようになります。

カスタマージャーニーマップ

顧客が商品・サービスに関わっていく一連の流れ。顧客の購入に至るまでの消費行動を時系列で可視化して、顧客体験の向上やアプローチの最適化に役立てます。

私たちのもとにも、こんなお悩みが届いています。

この点、当社では、商材ごとに作る必要はないと考えており、製品・サービスをグルーピングし、注力すべきグループに対してペルソナを立てています。

例えば、当社のマーケティングサービスの事業では、提供サービスに応じてペルソナを作成しています。

すべての提供サービスに対し、一度にペルソナを作成するのではなく、主力サービスや事業部門として訴求していかなければいけないサービスのペルソナをまずは作成しています。また、作成したらそのままではなく、定期的に見直しをかけています(例:事業方針が変わるタイミングなど)。

ペルソナが決まったら、次はカスタマージャーニーマップの作成です。商品・サービスを購入いただけそうな具体的な人物像を決めたら、その人がどの段階でどんな行動を取るのかをマーケターやWebマーケター、営業、インサイドセールスなどがそれぞれ書き出していきます。精緻なものを作るよりも、まずは関係者の意見をまとめてカスタマージャーニーマップを完成させるのがポイントです。

特定の部門だけで作成するのではなく、営業・インサイドセールス・カスタマーサクセス・マーケティング部門から関係者に集まってもらい、作成することが大事です。たくさん付箋に意見を書き出し、グルーピングしていきます。それぞれの立場や経験によって、まったく異なる意見が出る、非常に刺激的な作業です。1つコツをお伝えするとすれば、ベテランだけでなく若手も入れて行うこと。経験が少ないからこそ出せる素晴らしい意見もあります。

Section3:悩みが尽きないコンテンツの企画と制作

効率的なコンテンツ企画の方法

カスタマージャーニーマップができたら、いよいよコンテンツの制作です。カスタマージャーニーを具体的なコンテンツに落としこんでいきます。

コンテンツはWebマーケティング最大のポイントですが、いざ作るとなると悩みが多いもの。よくある悩みをいくつか挙げてみると・・・

アイデア出しのポイントは、出来上がったカスタマージャーニーマップをメンバーを変えて、もう一度精査すること。人が変われば視点も変わるので、カスタマージャーニーマップ作成に参加できなかったメンバーも加えてマップを再検証しながら、どんなコンテンツを作成するかアイデアを出していきます。

インサイドセールスからは「最近〇〇についてお客さんからよく聞かれるのでコンテンツにしては?」とトレンド観点からのアイデアが出たり、営業からは「提案の際に〇〇の話をすると反応が良いからコンテンツに入れてみよう」というアイデアが出たり、職種が変われば意見も変わります。

その上で、Webマーケターが主導して、直近のコンテンツに少ないものや実現可能性が高いもの(制作に時間がかからないもの等)を選び出し、コンテンツ化するものを決定します。

ときには、メンバー全員の意見が揃うことも。私たちも、全員が賛成して実際に「サイトリニューアルのRFPの作り方」という資料を制作したことがありますが、想定を超えたダウンロード数となり驚きました。「お客様がどんな情報を求めているのか」をさまざまな職種のメンバーが一緒に考えることが、いかに大切かを痛感しました。

コンテンツ制作は「なんとなく有りもので」ではうまくいきません。立場が異なるメンバーでしっかり話し合い、戦略を立てて制作することが重要です。

コンテンツ制作スケジュールの例

「どんなスケジュールで1コンテンツを作っているの?」という質問に対して、あるホワイトペーパー制作のスケジュールを紹介します。

「サイトリニューアルを控えているお客様は、失敗例を知りたいと考えているだろう。だから、失敗例と失敗しないポイントについて解説するホワイトペーパーを作ろう」と企画し、まずは社内の関係者にインタビューをしてネタを収集します。その後、資料の構成を固め、作り込んでいきます。弊社の場合は企画から約4か月で公開・配信しましたが、リソースがあれば短期集中でさらに短い期間で対応はできると思います。

Section4:ペルソナやコンテンツ、企画設計頻度とスケジュールは?

ペルソナやカスタマージャーニーマップの設定は年に一度、翌年度の計画を立てるタイミングで見直しをかけています。実際に運用してみて、当初の想定とズレがあれば修正し、新たなペルソナが必要であれば、新しく設定します。そのほかにも、事業部全体でその製品・サービスに注力することが決定したときなども改めて見直すようにしています。

コンテンツ企画・制作は、頻繁に企画を考えたり変えたりするのは非常に大変なので、半期もしくは四半期に1回まとめて計画を立てています。回数は少ないですが、その代わりに日々コンテンツに関する話題を集めて、そのときどきのニーズに合わせて柔軟に計画を変更しています。

私たちもマーケティングチーム立ち上げから2年目くらいまでは月に1回、企画会議を実施していました。しかし、1ヶ月ペースでは制作が非常に忙しく、成果を確認しながら進めることも難しいとわかり、半期もしくは四半期に1回がベストという結論に達しました。

Section5:コンテンツ配信、頻度や内容どうする?

コンテンツに関しては、回数やタイミングも悩みの種です。

コニカミノルタの年間スケジュール例

当社では現在、メルマガは月1本、コンテンツ制作は月2本以上コラムを制作、ホワイトペーパーは2ヶ月に1本以上の公開を基準に計画しています。1つの施策を打つにしても、タスクを挙げだすと、やるべきことが多いものもあるので、リソースや予算、スケジュール、目標達成状況を鑑みながら、最適化を図る必要があります。

例えば当社の場合、メルマガは当初、月に2本配信していました。しかし、1本あたりのボリュームもあり、2本も受け取るのは顧客の負担になると判断(メルマガとは別でセミナー等のメール配信も行っているため)。内容も「1メール1メッセージ」のコンパクトなものにし、月に1回の配信に変えました。効果測定しながら、ベストな回数とタイミングを見極めていくことが大事です。

Section6:目標に対する進捗が悪い...どうやって改善する?

実際に運用しはじめて突き当たるのが、「思ったような成果が出ない」という悩みです。当社でも、目標をなかなか達成できない時期がありました。

リード獲得のための施策の調整

私たちの改善事例を1つご紹介します。
リード獲得のためにサービス資料のダウンロードをコンバージョンとするメルマガを配信していました。メール配信結果もダウンロード状況も悪くないのに、資料の中身がよく読まれておらずアポイントにつながりません。

そこで、メルマガとコンテンツの2つの改善を実行しました。メルマガに関しては「サービス説明」中心ではなく、「お客様の声」中心の訴求テキストに変更。資料ダウンロードに直接誘導するのではなく特設ランディングページ(LP)を新規作成し、LPに「資料DL」を意図的に配置しました。

コンテンツに関しては、「資料の中身がよく読まれていない」という課題を解決するために、特設LPに、サービスページに記載しきれない内容を訴求するようにしました。

すると、特設LPを挟むことでページは長くなりましたが、コンテンツがしっかり読まれるようになって直帰率が下がり、DL件数も約5倍に。2つの改善によりDLの質が向上し、アポイント・受注につながりました。

皆様も一度うまくいかなくても諦めず、ボトルネックになっている箇所を見つけ、改善のPDCAを回していけば、きっとうまくいくはずです!

Section7:アクセス数・問い合わせ数を増やしたい!!

お客様のニーズを把握しよう

最後に、「アクセス数・問い合わせ数を増やしたい」という基本的ですが切実なお悩みに対して回答します。

ポイントはこれまでお話ししてきた通り、「お客様のニーズを把握すること」に尽きます。お客様が調べたいことや知りたいこと、製品・サービスの魅力がきちんとコンテンツ化できていれば、アクセス数や問い合わせ数はおのずと増えていくはずです。

そのために重要なのがペルソナやカスタマージャーニーマップの設定です。私たちはメールの開封率についてはMAツールで、サイト流入についてはGoogle アナリティクスで確認していますが、そうしたツールを利用して課題を数字で確認しつつ、データから分かること以外にも営業など現場スタッフの声も聞いて、お客様のニーズを反映しながら少しずつ改善していくことが大事だと考えます。

まとめ

BtoB事業のマーケティングサイト運営には失敗と改善がつきものです。改善は成果が出るまで時間がかかるので、思うようにいかないと、つい諦めてしまいがちです。しかし、コツを押さえて粘り強くPDCAを回していけば、必ず成果が出ます。

ポイントは、地道な分析とチームワーク。ペルソナやカスタマージャーニーを検証し、いろいろな職種のメンバーが話し合いを重ねて施策を考え実行していくことで、気付けば「あ、アクセス数がこんなに伸びていた!」という日が来ると思います。

とはいえ、自社だけでは取り組むのが難しい…という方は、ぜひお気軽にご相談ください!

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